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    刀の臓

    というわけで。

    連休明けましたね!ずっと沙汰なしでごめんなさい。
    GW何しよう、って連休前には思っていたのに、結局何もできずに終わっちゃいました・・・・・・!

    本当は、新ちゃんコナンちゃんのバースディとか、土方くんのバースディとか色々準備しようとしていたのに、全然できずに終わっちまったぜ・・・・・・。

    んでも、めげずにとりあえずOPのルフィ誕記念で、ゾロル小話を上げてみる。
    えーっと、時間軸的に今更なバラティエでのミホーク戦ネタ。あの話、実はすごい好きです。

    自分だって助けに行きたいのをぐっと我慢してゾロのために動かず最後まで見守った船長さんに愛を感じます。
    ちくしょおおおお!ってなります。

    そんな感じのお話です。お暇なときにでも↓からどうぞ!

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    こんなにも、強く。
    他人を想ったことは、なかった。
     
     
    刀の臓
     
     
    どんなに強く、強く願ったとしても、叶わないことがある。それを、思い知らされた。
    自惚れてはいなかったが、こんなにも違うのかと、途方に暮れそうになった。いや、もしかしたら俺は、過信していたのかもしれない。このままでも十分だと、思っていたのかもしれない。
     
    だが、まだ、遠い。
    背中さえ見えないほどに、遠い。
     
    もう、諦めようかとも思った。ここで俺は終わるのだと、思った。
    だけど。
    それを引き止めたのは、アイツだ。
     
    「っ、ゾロッ」
     
    あぁ、アイツの声がする。いつだって笑って、どんなときだって強気だったアイツが、まるで置いていかれる子どもみたいに、俺を呼んでいる。
    斬られた腹はいてぇし、見上げた空は霞んで見える。でも、潮の匂いだけは、何故か鮮明に感じて。
    アイツに、良く似合う匂いだ。そう、海を愛し、海と共に生きると言った、アイツに。
     
    思って、苦笑。自分はどこまでも、アイツに毒されている。
     
    「ゾロッ!」
     
    泣くなよ。俺は、お前の笑った顔が好きなんだ。いつまでも笑っていて欲しいし、できればその隣に、立っていたい。立っていられるだけの、男でいたい。
     
    ………―――、なら、ここで、立ち止まるわけには、いかねぇな。なんたって、アイツは、
     
    唇が、歪む。
    腕は、まだ動く。声も、出せる。あぁ、俺は、まだ、強くなれる。
    まだ、いける。
     
    「………―――る、ルフィ、聞こえるか………」
    「っ、あぁ」
     
    少し強張った返事が返ってくる。あぁ、ちくしょう。視界が、悪い。アイツの姿さえ、ろくに見えやしねぇ。だが、翳した刀だけは、鮮明に映って。
     
    「不安に、させたかよ………。俺が、世界一の大剣豪にならねぇと、お前が困るんだよな………」
     
    思い出す。初めて会ったときのことを。太陽のように笑った、あの笑顔を。
     
    『世界一の大剣豪か。いいねぇ。それくらいなってもらわねぇと、おれが困る!』
     
    胸を張って、何でもないことのように。お前は笑うから。
    だから、俺は。
     
    「兄貴っ、もうしゃべらねぇでくれ」
    「兄貴」
     
    「俺は、」
     
     
    くいな。
    なぁ、お前は笑うか? 今の俺を。お前に負けてばかりだった俺が、また、無様にこうして負けている姿を見て、あの頃のように笑うか?
     
    ………―――相変わらず、弱いわね。
     
    あぁ、そうだ。俺は弱ぇ。弱すぎて、笑っちまうくらいだ。
    だけど、なぁ、くいな。
    悪くねぇ。悪くねぇんだ。あんなにも、あっさりと負けちまったのに、心の底から悔しいのに。
    なのに、俺の心臓(カタナ)は、まだ動くんだ。可笑しいだろ? 笑っちまうだろ? でも、それでも。
    諦めきれねぇんだ。それは、たぶん、俺と同じようにでけぇ夢抱えて笑う、アイツがいたからで。悪いが、やっぱりまだ、そっちにはいけねぇみてぇだ。
     
    ………―――、当然よ。だって、約束したじゃない。約束破ってこっちに来ちゃったら、ぶった斬ってやるんだから。アンタは諦めの悪さだけがとりえなんだから、ちゃっちゃと済ませなさいよ。
     
    あぁ、そうだな。
    約束だ。
     
    笑う。視界は歪む。翳した刀だけが、今の俺の全て。剝き出しの刀身は、曝した俺の心だ。
    この刀に、俺は、もう一度約束する。
     
     
    「俺は、俺はもう二度と、まけねぇから……っ、あいつに勝って、大剣豪になる日まで、俺は、絶対負けねぇ…………、っ」
     
    「文句あるか! 海賊王ッ」
     
     
    がむしゃらに叫んだ。
    あの日、お前に向けて言った言葉と丸々同じことを、今、俺は告げている。そうだ。約束した。お前に。そしてお前は、いつものあの笑顔で応えたじゃないか。
     
    「…………、っない!」
     
    聞こえてきたのは、笑みを含んだ声。
    緩んだ視界の中、すっと、刀身に反射した太陽の光が、眩しかった。
     
     
     
     
     
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