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管理人の日常だったり、萌えだったり。
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    セツナロンリ

    というわけで。

    ↓から、某プリンスさまっ♪を拗らせた腐った女子の妄想の産物です。

    最近ずっと赤紫同室組が美味しすぎて、なんか乙女ゲーなのに腐った観点でしか見れない自分に盛大にジャンピング土下座したい気分です。

    赤い子が美味しすぎて・・・・・。なにあの子・・・・・・。腐女子人生で初めてですよ、攻め子に対して「天使」だなんて言葉使ったの・・・・・・。

    あのあざとかわいい感じがほんとたまらん。アニメ1期の2話10話が美味しすぎてたまらん。
    2話はとくに、あの「ねぇねぇ教えて教えてー」が永遠リピートしたいくらいにあざとかわいくてしょうがない。
    くっ、あれが計算されてのかわいさなのかそれとも天然なのか。どちらでも美味しいです。はい。

    しかもああいう子が実は重たい過去背負ってて、的なノリが一番大好物の那儀さんなので、赤い子の設定がほんと美味しすぎて。


    しかし、2期の2話のセシルくんがただただ嫌な奴みたいになってて、ちょっとなぁ、と。
    自分の中でのセシルくんは、もうちょっとこう、音也くんみたいに可愛いわんこ系かなって思ってたので、あんなガツガツした子だったとは予測不可能だよ。
    しかもあの子が音也くんと異父兄弟だとは、ちょっと、思いたくないなぁ。

    なんか、王子様だからっていうのもあるんですけど、こう、愛されて育ったっていうのがもう丸分かりで、愛されて当然みたいな顔されるとほんと、なんか、こう。
    その間、音也くんは施設で寂しい思いをしてたんだな、とか思うと、ギリィってなる。
    あっ、セシルファンの皆さんは気を悪くされないでください。セシルくんは嫌いじゃないんです。ただ、アニメの2話がちょっと許せなかっただけで・・・・・・!
    きっと根はいい子なんだっていうのはわかります。ので、今後どういう風になっていくのか期待したいです!

    セシルファンに盛大に罵られる前に、退散します。

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    「だって、いつどうなっちゃうか、分からないからね」
     
    そう言って、男は笑った。
    刹那的な生き方をする男は。
     
     
    セツナロンリ
     
     
    「俺っ、七海のこと大好きだよ!」
     
    偶然通りかかった教室から聞こえてきた、耳に慣れたアルト。私は足を止め、教室の中を覗く。途端に視界に入り込んだ赤色は、キラキラと眩しいくらいの笑顔を浮かべていた。
     
    「っ、えっ、あっ、わっ私も、一十木くんのこと好きですよ」
    「わー、ほんと? 嬉しいな!」
     
    ぎゅう、と小さな細い両手を掴んで、嬉しそうに笑う赤。それを見上げる、はにかんだような笑顔。まるで周囲を気にせずいちゃつく恋人同士のように見えて、胸が苦しくなる。苛立たしくて、吐き気さえしそうだ。
     
    「まーた始まったよ、一十木のやつ。よくやるよなぁ」
    「そうだな。あれだけ明け透けだといっそ清々しいよな」
     
    廊下側の席の男子生徒二人の会話が聞こえてくる。呆れと、感心と、苦笑。それらが交じり合った声は、しかし否定的な色はない。むしろ、歓迎しているような空気さえ醸し出していて、それだけ、あの赤色が示す好意は日常茶飯事ということだ。
     
    「あっ、ずるいです! 僕も二人のことだいすきなので、混ぜて下さい!」
    「うん! ほら、マサも!」
    「あぁ」
     
    二人で手を取り合っていたのが、いつの間にか増えて、輪になる。しかし、赤色と彼女の手が離れることはなく、隣に並ぶと余計に違和感がなくなった。
     
    「あっ、一十木くん、髪の毛にゴミがついてますよ」
    「え、ほんと?」
    「じっとしててくださいね」
     
    彼女の手が離れて、赤い髪に触れる。少しかがんだ赤色と彼女の顔が、近づいて。私の方からは、二人がキスをしているようにも見えてしまって。
     
    「っ、」
     
    慌てて、視線を逸らす。
    そのまま、逃げるようにその場を後にしていた。
     
    ……………―――、くだらない。
     
    吐き捨てる。分かってはいる。二人はそういう仲ではないと。だけど。
    それでも、あの赤色の男が示す好意はいつだって純粋で、それゆえに厄介で、私にとっては不安を煽るものでしかなかった。いつか、もしかしたら、その好意が形を変えて、二人を結びつけてしまったら、と。
     
    「…………―――、すき、か」
     
    あの男からすれば、それこそ羽のように軽い言葉。だけど私にとっては、鉛のように胸の奥に沈んでは、決して口から出ることのない重い言葉。
    その違いが、せつないくらいに、いたかった。
     
     
     
     
    放課後。
    図書室に本を返すついでに、また新しい本を借りようと本棚の波に紛れていると、棚の隙間から特徴的な赤い頭を見つけて、どきり、とする。彼の隣には見知らない栗色の髪をした少女が居て、また、心臓が跳ねる。
    彼女は、周りを気にするように声を潜めて。
     
    「ごめんね、一十木君。手伝ってもらっちゃって」
    「いいよ。俺も丁度図書館に用事があったから、ついでだよ、ついで」
    「えっ、一十木君、本読むの?」
     
    それは私も思った。
    驚いたように声を上げる彼女に、音也は、それどういう意味? と拗ねながら。
     
    「まぁ、実際読まないけどさ。図書館に用事があったっていうのは、トキヤが来てないかなーと思って」
     
    当たりだ。行動が読まれていることに、少なからず動揺する。しかし、その後に続いた、でも、来ていないみたいだね、の言葉に、安心する。
    この早乙女学園の図書館はとても広くて、本を探すのにも一苦労する。人を探すとなれば、それなりの時間が掛かるだろう。つまり、私がここにいることは、音也は気付いていない。
    別に見つかることが悪いわけではないのに、ホッとする。すると、隣に居た彼女は、トキヤ? と首を傾げたあと、あぁ、と納得したように軽く手を叩いた。
     
    「一ノ瀬君のことかぁ。確か、同じ部屋だったよね? クラス違うのに同室って、ちょっと変わってるよね。女子寮はどっちかっていうと違うコース同士が一緒っていうのが多いみたいだけど」
    「うん。でも、トキヤってほんとすごいんだよ! 歌は上手だし、頭も良くって。料理も上手でさ、ときどきご飯とか作ってくれるんだよ」
    「へ、へぇ。そうなんだ」
    「………っ」
     
    こ、この男は何を言い出すかと思えば………!
    私は本棚に額を押し付けるようにして、悶える。苦しい。羞恥で死にそうだ。
    寮の話をしていたはずだ。それなのに、どうして私の話になる。「でも」からの流れがおかしい。音也らしい、思いついたことをすぐに口にする癖は、どうにかしなければならない。そうでないと、私は心臓がいくつ合っても足りない。
    やや引き気味の少女を気にした様子もなく、トキヤがね、と続ける赤い男を今すぐ殴りに行きたい。しかし、このまま出て行くわけにもいかない。
    いっそ殺してくれ、とまで思った私の耳に、少し引きつり気味の少女の声が聞こえた。
     
    「仲良いんだね、一ノ瀬君と。意外だなぁ」
    「意外?」
    「うん。だって、二人ってどっちかっていうと合わなさそうな感じだもん。正反対っていうか。だから仲良くしてるのって、なんか意外だなぁって」
    「ふぅん」
     
    意外。そう、意外だろう。私自身も意外だと思っているのに、他人からすればもっと意外に感じるだろう。
    私は、どちらかと言えば人と距離を置きたがるタイプだ。音也はその正反対。人と距離を縮めたがるタイプだ。気が合うとは、とても思えない。だが。
     
    「うーん、どうだろ。俺は別に、意外に思わないけどなぁ。だって、トキヤは優しいから。俺、トキヤのことだいすきだもん」
     
    さらり、と。なんでもないことのように告げられたその言葉に、また、心臓が跳ね上がる。
    だいすき。
     
    その色合いは、いつだって同じ。平等だ。それなのに、自分に差し出されるそれだけが違うのだと、どうして言えただろう。
     
    ………俺、トキヤのことすきだなぁ。
     
    数日前、唐突に寄越されたその言葉に、私がどれほど狼狽えたか。貴方は知らない。まるで、ギターを抱えて歌うのと同じくらい気負うことなく差し出されたそれに、私が、どれほど………―――。
     
    「っ」
     
    ぎり、と奥歯を噛みしめる。これ以上、ここにいてはいけない。そんな、誰かの声を聞いたような気がして、私は踵を返す。まるで何かに逃げるように、私は図書館を後にする。早めに部屋に戻って、なんでもない顔をしなければ。そうでなければ、きっと、私はあの男の傍にはいられない。
     
     

     
     
    「ただいまー」
     
    部屋に戻って、少しすると、音也が帰ってきた。おかえりなさい、と机に向かったまま視線も合わせずに答えると、トキヤ、こっちに戻ってたんだね、と音也が笑う気配がした。てっきり図書室に行ってると思ったからそっちに行ってた、と。それは知っていたが、そうですか、と知らないふりをする。
     
    「んー、俺もまだまだだなぁ。トキヤのこと、けっこう分かってきたつもりだったんだけど」
    「……なんですか、それは」
    「ほら、俺たちって同室だからさ。他の子たちが知らないトキヤのこと、いっぱい知ってるつもりだし、トキヤが考えてること、なんとなーくだけど、分かるようになってきたんだよ。だから、」
    「ちょ、ちょっと待ってください。私の考えてることが、なんです?」
    「ん、だからー。トキヤの考えてること、ちょっとは分かるって言ってんの。ほら、だっていま、」
     
    なんで、
     
    「なんで、って思ったでしょ?」
     
    にっこり、と満面の笑顔で、まさしくたった今思ったことを当てられて、平常心と思っていたことも忘れて、ぎょっとする。あ、当たった? なんて聞いてくる赤色の男は、少し嬉しそうな顔をしていた。
     
    「トキヤ、表情には出ないけど、瞳が、ね。こう、素直っていうか。瞳を見れば、だいたいトキヤが何を考えてるのか、分かるようになったんだ」
    「な、にを、」
    「ほら、今だってさ、」
     
    じっと、赤い瞳がこちらを覗き込んでくる。真っ直ぐに、射抜くように。それは火傷しそうなくらいの熱を持っていて、目を、逸らしたくなる。それなのに逸らせないのは、まるで、燃え上がる炎を前にした好奇心に似ている。
    触れれば、火傷どころではすまされないと分かっているのに、その美しさに、手を伸ばさずにはいられない。もしかしたら触れるかもしれない、そんな、好奇心に似て。
    怖いくらいの沈黙。いつになく、覗き込んでくる赤色は真剣な色を宿していて、ぐっと息を呑む。
    もしかして、本当に、この男は分かるというのか。私が、
     
    「…………―――、俺のこと、〝好きだ〟って、言ってる」
     
    ふ、と笑った音也は、その口で、俺も好きだよ、と返した。
    一瞬、息が止まる。しかしすぐに、呼吸の仕方を思い出す。
    なんて、軽い言葉だろう。同じ言葉なのに、私のそれとはどうしても重ならない。その温度差に、ようやく、我に返ることができた。
     
    「………何を言うかと思えば、くだらないですね。私は貴方のことなんか、〝好き〟ではありませんよ」
    「そう?」
    「ええ」
    「でも、俺はトキヤのこと、好きだよ」
     
    なんでもないことのように放たれた言葉に、苛立ちが募る。どうしてそんな簡単に、その言葉を言えるのだろう。理解できない。
    その言葉を、何千、何万と、他の人間にも言ってきたのだろう。そんな、使い古された言葉なんか、聞きたくもない。
     
    「呆れますね。貴方は、どうしてそう軽いのですか。好きだのなんだの、よくそんなに軽々しく口にできますね」
     
    吐き捨てる。もうこれ以上、会話をしていたくなかった。もうこの話は終わりだとばかりに背を向けようとして。
     
    「だって、いつどうなっちゃうか、分からないからね」
     
    静かに、音也はそう言った。いつもとは打って変ったその声音にハッと振り返れば、音也は静かに笑っていた。
     
    「伸ばした手が、届けたい言葉が、明日、相手に届くとは限らないから」
     
    音也はそっと、こちらに手を伸ばす。触れた指先は、ひどく、冷たい。その温度に、私は驚く。
    まるで太陽のように暖かなこの男は、こんなにも冷たい手をしていたのか、と。
    音也は、私の指先を握りしめて、あったかいね、と笑う。
     
    「俺は、我慢なんてしないよ。好きなら好きって言うし、大事にしたいなら、大事にする。言いたいことは言うし、それが間違ってるなんて思わない。だから、何度だって言うよ。俺はトキヤが好きだよ」
     
    真っ直ぐに、こちらを見上げて笑う赤色は、しかし、どこか寂しそうにも見えた。
     
    騒がしい、夏の太陽のような男は、その一瞬一瞬を、燃えるように生きている。それはあまりにも刹那的で、まるで、終わりが分かっているかのような、そんな生き方をしているように思えた。
    夏の太陽が沈む、その、静けさに、似て。
     
    「………―――、私は、嫌い、です」
     
    羽のように軽い言葉。一瞬だけ激しく燃えて、すぐに消えてしまうような刹那。
    それはあまりにも切なくて、痛すぎる。
     
    そう言えば、音也は少し驚いたような顔をしたあと、いつものように笑った。
     
     
     



     
    「うん。だから、俺はトキヤがだいすきなんだ」
     
     
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