というわけで。
からくり卍ばーすと 2話目です。
なんか最近このレンリンの双子が可愛くてしょうがないです。
双子っていうのが可愛いです。つまり奥村兄弟も可愛いです。
ということで↓からどうぞ。
そういえばぱちぱち拍手、ありがとうございます!

「偶然」なんてことは起こらない
からくり卍ばーすと 弐
この世界は全て、白か黒で隔てられている。
善と、悪。対となるその二つは、同時に存在してはならないものだ。だから、敵対する全てを排除する。それが僕の役目。
『……であるからして、組織の危険性を……』
壇上の上では、三文芝居が繰り広げられている。舞台の袖で手元にある資料に目を落としながら、よくあれだけのくだらない台詞を高らかに叫べるなと思う。
そしてその芝居に騙されて湧き上る連中もまた、気がしれない。
『粛清を!』
壇上にいる男が、左手を上げて叫ぶ。同時に、観客たちが湧き上る。粛清を。粛清を。粛清を。
まるで人の波だ。煩いくらいに耳に響く。粛清を。
「……なんや、えらいなことになってますな」
ひょっこりと隣に現れたのは、ピンクの髪をした志摩君だ。直属の部下ではないが、彼の部隊長とは知りたいである僕には何かと声を掛けてくる。彼は湧き上る彼らを見て、関心したような顔をしていた。
「あれだけ固い演説で盛り上がれるなんて、下っ端連中は暇なんやろうなぁ」
「……」
なるほど。くだらないと思っていたのは僕だけではないらしい。ちらりとその横顔を見つめて、少し目の前の男を見直す。
「しかし、最近組織連中の動きが激しいっていうのは同感や。その危険性も。アイツ等はこの世界に存在してはいかんもんや」
「……」
「それに……―――例のアイツが、また派手にやらかしとるいう情報も入っとりますし」
アイツ、その言葉にぴくりと指先が反応する。
アイツとは、敵対する犯罪組織の中でとびきりの犯罪者。殺戮を繰り返す、殺人鬼。悪の、権化。
憎むべき、敵だ。
ぎり、と奥歯を噛みしめる。
消えろ、と心が騒ぐ。悪はすべて、消えればいい。
その為なら、僕はどんなことだってする。絶対に逃がしはしない。どこまでも追いつめて、この手で必ず……殺す。
生と死は真逆だ。
限りある生を凌辱する彼らを、アイツを、絶対に許しはしない。
「………―――排除します」
悪がこの世界に生きている価値はない。それでも、何のためにこの世界に悪が存在するのかと問われたならば。その答えを教えてやる。
所詮は、彼らは落ちぶれたガラクタに過ぎないのだから。
粛清を。
叫ぶ声を背に、僕は被っていた帽子を深く被る。腰に下げた愛銃が、かちゃりと音を立てる。
さぁ、始めようか。
「粛清を」
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