というわけで。
先日友人とカラオケに行った際に、友人が歌っていたボカロ曲が盛大に滾ったので、奥村兄弟でパロってみました。
少しずつ更新していく予定なので、ブログに載せました。完結次第、青祓コンテンツに移行します。
一応キャスト的に
リン:燐(や、別に洒落じゃないですよ(笑
レン:雪男(弟だしね
ミク:メフィスト(何となく
がくぽ・KAITO・MEIKO・ルカ:勝呂・志摩・出雲・しえみ
?:獅郎(特別出演的な
こんな感じです。
SSSなので、すごく短いですが更新は早いかもしれないです。
ではでは↓からどうぞ。

眠らない街の真ん中で
からくり卍ばーすと
ふ、と顔を上げる。
夜の空には、鋭く尖った三日月。まるで抜き身の刃みたい。そんな風に考える自分が滑稽に思えて、ニィ、と笑う。
この街の夜は、酷く騒がしい。ヒトの気配が充満し、俺の神経をざわりと撫でる。それが酷く不快で、同時に心地よかった。ヒトが生きている気配は、俺の衝動を駆り立てるからだ。
時刻は、丑三つ時。俺はゆっくりと深く、息を吐く。ぴちゃり、と濡れた音が聞こえて、そっと足元を見やる。
黒の夜の闇に混じる、赤い赤い、ソレ。じわりじわりと広がるその赤は足元を濡らし、同時に自身にも飛び散っていた。その色は指先を染め、綺麗だった。
「……まだ、足りない」
ぼんやりとその指先を見つめ、ぽつりと呟く。
本能が叫んでいた。タリナイ、と。
全てを壊したい。それが俺の、本能に埋め込まれた衝動だった。
鉄錆の匂いと、ヒトの呼吸が止まる音。これだけが、俺の衝動を抑えられる。
ヒトなんて、所詮は脆いイキモノ。それを壊すことが、俺の本能。
例えばヒトがいたいけな兎なら、俺はそれを喰う狼だ。俺は兎を喰わなければ、生きていけない。
だから、俺はヒトを殺す。
生は……―――死だ。
生があるから死がある。それを俺は、本能で理解しているだけにすぎない。
『……―――、殺しましたか?』
ジジ、と耳に付けた無線から、愉快そうな笑みを含んだ声が聞こえてきた。こちらの状況などお見通しのくせに、と思いつつ、小さく頷く。
すると、無線の向こうにいる男は、そうですか、と特に気にするわけでもなく淡々と答えた。俺が殺すことに、何の疑問も抱いていないのだろう。
『……、最近、彼らが頻繁に動いているらしいですね』
彼ら、という男の言葉にピクリと指先が動く。俺たちと敵対する特殊警察のことを聞くと、俺の体は反射的に反応してしまう。
男はそんな俺の様子に気づいているのか、クスリ、と笑みを零して。
『まぁ、我々組織にとって彼らはそこまで脅威ではないのですが、誰かさんが手当たり次第に食い散らかしているせいで、彼らの動きも活発化しているみたいなんですよ』
嫌味のような言葉を聞きながら、刀を握り締める。先ほどまで満たされていた衝動が、ざわりと騒ぐ。
「………あぁ……―――」
俺は喘ぐように呻く。
様子の変わった俺をどう思ったのか、男は無線の向こうで肩を竦める気配がした後に、ブツ、と無線を切った。
勝手にしろ、ということなのだろうか。
俺は組織に飼われているが、対象となるターゲットさえ殺せば後は野放し状態だった。まるで殺戮人形のようだ、と組織の連中は俺をそう呼ぶ。俺を作った、組織が。
そのように作ったはずの連中にそう呼ばれる俺は、さて果たして何の為に作られたのか。
その答えは、未だに誰も答えてはくれない。
つづく
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