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    からくり卍ばーすと 参

    というわけで。

    からくり卍ばーすと 3話目です。

    ↓からどうぞ。



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    コワシテ
     
    からくり卍ばーすと
     
     
     
    ビリビリと肌が震える。重く肩に圧し掛かるような、重圧。
    隠しもしない、殺気。いや、殺意というべきか。
    まるで弾丸のようなそれに、体が震えた。体中の血が騒いで、仕方ない。
     
    コワシテ
    コワシタイ
     
    呪詛のように血が騒ぐ。破壊をスルことでしか得られない、<RUBY><RB>快楽<RT>ごちそう</RUBY>。それが目の前に無防備に置かれていて、俺はまるで獣のように舌なめずりをする。
    自分の呼吸をする音が煩い。ひどく高揚して、視界が赤く染まるのが分かる。
     
    壊して
    壊したい
     
    タリナイ
    タリテナイ
     
    どこまでいっても満たされない、破壊衝動。
     
    足りない
    足りてない
     
    それが満たされるまで、俺は止まらない。
    所詮は、組織によって作られて、そして、組織によって捨てられた殺戮兵器。
    だったら、全部全部コワシテ……―――。
     
    「………っふ」
     
    俺は空を見上げつつ、体の熱を吐くように喘いだ。
    カチリ、と愛刀が鳴く。それを見下ろして、俺は小さく笑った。
     
    「そうか……お前も……」
     
    足りない、よな?
     
    にぃ、と口元を吊り上げて、その柄を握り締める。同時に背後からの殺意が、膨れ上がる。
    さぁ、かかってこい。俺と一緒に、破壊を楽しもうじゃないか。
    そうして、ぐちゃぐちゃに刻んでやる。
     
    「………―――脆い」
     
    ヒトは脆い。
    脆いから、壊すのが楽しい。
    脆いから、壊すのは一瞬。
     
    俺はその一瞬のために、生きている。
    その破壊こそが俺の……生きている意味。
     
    コワシテ
    コワシテ
     
    …………―――ダレヲ?
     
     
     
    そっと、誰かが耳元で、囁いた気がした。
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